レースレポートをご覧頂けます
全戦茂木から約1ヶ月のインターバルを経て、スーパーフォーミュラ第5戦は年に一度の九州大会として大分県のオートポリスを舞台に行われた。
今大会は今シーズン初の1レース制で、土曜に予選、日曜に決勝を予定していたが、土曜日は朝から激しい雨、風、霧に荒天となり、サーキット内は観戦もままならない状況であった。天候の回復を待ったが好転することはなく、最終的には走行に関わる全てのセッションがキャンセルとなり、翌日曜日の午前に予選、午後に決勝というワンデー開催に変更されることとなった。
今回は前戦をWECとの日程調整で欠場した小林が戻り、久しぶりに7号車をドライブする。
RESULT |
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カーナンバー | 計時予選 |
決勝 |
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#7 Kamui Kobayashi |
3位 |
7位 |
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BLT: 1'30.420 |
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#8 Nirei Fukuzumi |
4位 |
9位 |
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BLT: 1'31.111 |
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DATA |
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開催サーキット | オートポリス(4.674 km) |
日時 |
5月17日(土) / 18日(日) |
来場者 |
土曜:5,000人 / 日曜:8,800人(主催者発表) |
天候 | 土曜:雨 / 日曜:曇り |
気温 |
土曜:18℃ /
日曜:18℃ → 17℃ |
路面コンディション | Dry |
迎えた日曜日の朝は、雨は降っていないもののうっすらと霧が立ち込め、ところどころにウェットパッチが残るドライコンディションとなった。
前日まったく走行ができなかったため、予選はノックアウト方式から40分間の計時方式に変更となった。
9時40分、気温18度、路面温度20度のコンディションの下、予選スタート。小林、福住ともにユーズドタイヤを装着し、セッション開始と同時にコースへ向かった。
小林は1セット目のニュータイヤで6番手タイムをマーク。2セット目のニュータイヤでクリアラップを獲る事に成功した小林はこの時点で3番手に浮上した。3セット目のニュータイヤで更なるタイムアップを狙ったが、チェッカー間際に他車のアクシデントによって掲示された黄旗の影響でタイム更新はできなかった。その後、小林のタイムを上回るドライバーは現れなかったため、見事3番グリッドを獲得した。
福住は1セット目のニュータイヤでこの時点のトップタイムを叩き出した。2セット目のニュータイヤを装着し、残り時間16分のタイミングでコースインすると、セクター1、セクター2と自己ベストで繋いでいき、最速タイムに期待がかかったが、残念ながらセクター3で他車に引っかかってしまったため、アタックを諦めてピットに戻って来た。気持ちを切り替えて3セット目のニュータイヤでアタックに向かったが、福住も小林同様にタイム更新できず、4番手で予選を終えた。
2台ともに悔しさは残ったが、Kids com Team KCMGの2台がセカンドローを獲得する好調さを見せ、決勝に向けて大いに期待が高まる予選となった。
予選終了から3時間のインターバルを経て、決勝に向けてのスタート進行が始まった。今回はフリー走行が行われなかったため、20分間のウォームアップ走行が設定された。このウォームアップ走行中に雨がぱらつく場面もあったが、大きな天候の崩れはなく、無事ドライコンディションでレースが行われた。
14時42分、気温17度、路面温度20度のコンディションで「スーパーフォーミュラ100レース目」となる第5戦決勝がスタート。2列目からスタートした小林と福住は2台ともにホイルスピンしてしまい、福住は5番手、小林は6番手にポジションを落としてオープニングラップを終えた。
先にピットに入ったのは小林。集団から抜け出すべく、4周を終えたところでピットに入り、素早くタイヤ交換を済ませると、タイヤ交換完了組のトップでコースに戻った。だが、1周前にタイヤ交換を済ませ、タイヤが温まって来た#5 牧野選手にオーバーテイクされてしまい、1つポジションを落として18番手となった。
5番手走行中の福住は8周終了のタイミングでピットイン。こちらも難なくタイヤ交換を済ませ、タイヤ交換組のトップでコースに戻ったが、バトルを展開する牧野選手と小林にかわされ18番手となった。
12周目、ペースが上回る福住が1コーナーで小林をオーバーテイクし、13番手に浮上。小林は14番手に後退する。14周目、福住は前を走る牧野選手に迫っていくが、さよりんブリッジ前のS字で単独スピンを喫し、小林と#65 フラガ選手の先行を許すと、小林が13番手に浮上。福住はすぐさま体製を戻し、15番手で復帰したが、タフな追い上げを必要とされる展開となる。
20周目、コース上にストップ車両が発生したため、セーフティーカーが導入された。このタイミングでまだタイヤ交換を行っていなかったマシンはピットロードに雪崩れ込んだ。全車のタイヤ交換が完了した21周目には小林は6番手、福住は10番手。
24周目終了のタイミングでレースリスタート。フレッシュなタイヤを履くマシンの集団の中にいる小林はポジションを守るために懸命な走りを見せるが、26周目に1台、27周目にも1台の先行を許し、8番手にドロップ。その後、スローダウン車両をかわして7番手となった。タイヤが厳しく、耐えるレースとなった小林は7番手でチェッカーを受け、入賞を果たした。
9番手走行中の福住はタイヤのバイブレーションがひどく、一度は2回目のタイヤ交換の可能性も探ったがポイント獲得のためにステイすることを選択。苦しい走行を強いられたが何とかポイント圏内の9番手でチェッカーを受けた。
土曜日は悪天候でスケジュールが変更されて、いきなりの予選となった上に満足のいくアタックができないまま予選を終えました。2セット目のニュータイヤでしかクリアラップが取れなかったけど、そこで今季最高位の3位を獲得することができて良かったです。
決勝は十分優勝を狙える位置からのスタートなので、緊張せずに平常心で臨みましたが、ホイルスピンしてしまい、順位を落としてしまいました。スタートを失敗して、前車にも詰まっていたので早めにピットインする戦略を取りましたが、SCにも左右され、結論としてはいい方向に行きませんでした。今季新しくなったタイヤとクルマがレースにあっていなくて、一発の速さはあるけどその後の落ちが激しくて、特にリアがダメだったのでリアタイヤを守るセッティングにしたけどアジャストしきれませんでした。スタートが上手くいっていたとしても戦えなかったと思います。今日は耐えるレースでした。僕は来月の合同テストに参加できないので、次戦も厳しいレースになってしまうと思いますが、チームと代役ドライバーにも頑張ってもらって、課題を解決できるセッティングを見つけてもらいたいと思います。
予選はポールポジションを獲れるポテンシャルがありましたが、アタックしきれず、フラストレーションの溜まる予選になってしまいました。自分の思った通りに行かなかったし、そこから悪い流れができてしまったのかもしれません。
決勝は昨年同様にスタートが悪くて、早い段階から鉄のタイヤを履いているのかと思うくらいグリップ感がない、ひどいオーバーステアな状態でした。SCにも大きく左右されるレース展開でしたが、戦略面も中途半端な場面でピットインしてしまい、その後もかなりタイヤを消耗していたので、レース中に初めてスピンしてしまいました。自力でペースを上げる事はもちろんですけど、もっと大きな幅で戦略を見れるようなチームにしていかないといけないなと思っています。色々大変だったけど、ポイントを獲れたのは良かったです。
天候に翻弄されたAPラウンドでしたが、通常とは異なる計時予選でポールポジションの可能性を感じられるペースを見せ、2台揃って2列目からスタートという結果を得られたことは良かったです。
しかし、決勝ではスタートとレースペースが良くなかったという大きな課題が残り、目標としていたトロフィー2個持ち帰るという事は達成できませんでした。
まずはこの2点を確実に改善しないとトップ争いは見えてこないので、来月富士で行われる合同テストを有効に活用して、良い方向性を見つけ出したいと思います。
課題としていたピット作業は、今回は2台とも大きなミスもなく上手くいったので、しっかり継続できるように練習を重ねていきます。
引き続きの応援よろしくお願いいたします。